社員が退職すると、企業は深いダメージが残る
- 採用するまでの費用(募集広告)
- 採用してからの費用(教育費)
- 退職に関する費用(引継ぎ、関連部署との調整)
- 補充のための費用(募集広告)
以上に加え、全てにおいて人件費が掛ってくる。現場の教育担当やマネージャー、人事・労務管理部門のスタッフなど。会社と応募者の方向性を見極めるために選考を行うのだが、採用した社員が期待したパフォーマンスを出せなかったり、社員が会社に愛想をつかして退職したり。
人が人を選ぶ以上、王道な採用手法はない。とはいえなるべくミスマッチにならないように、様々な試験や面接を繰り返す。経営者もなるべく業績に貢献できる人材を採用したいと思うのは常だ。
ではどうするか。
当社の場合は「社内で業績貢献度の高い人・低い人」との相関関係がある筆記問題を採用選考で使用している。つまり、社内で業績を上げてい人ほど高い点数が獲れる問題を、採用選考に流用するイメージである。
ITエンジニアに求められるスキルは多種多様だが、主要なものを挙げると「問題解決」「論理思考」「柔軟な発想」といったところ。しかしこれらを選考段階で見極めるのは難しい。面接で対人スキルを発揮できたとしても、これらのスキルはコミュニケーション力とはほぼ別物だから。
具体的な問題の開示はできかねるが、「数学の文章問題と論理証明をアレンジした感じ」。専門知識は経歴や偏りがあるので使用していない。
業績と一定の相関関係があれば、選考に共通言語ができる上、経営側の理解も得られやすくなる。これらの根拠が無いまま採用担当の感覚だけで「将来性あり」として採用し、万が一ミスマッチが起きると経営側から「もっとしっかり見極めろ」となる。業績と相関関係のある試験をクリアした人材であれば、選考から採用決定・配属後まで、期待値がブレない。
とはいえ、能力評価を一方向から見ただけなので、試験問題を定期的に見直したり、応募者の人格は別手段で見る必要があるのは言うまでもなく。