前編の続き。
仕事に関係なければ距離を取ることもできるが、組織上の立場や取引関係などで付き合わなければいけない状況はある。前編では謝れない人の傾向を3つ挙げた。これらは一般的に「短所」と括られるが、短所は長所を別の角度から見ているようなものだ。
そこで「謝れない人(以下Aさん)」の短所を、視点を変えて長所で見てみる。
プライドが高い人⇒価値観と実績を大切にする人
プライドが高い人の傾向は、自分の価値観や経験を大切にし、興味のないものには行動をおこさない。もし価値観を否定されようものなら、まるで人格を否定されたかの如く激怒する。または否定的・非協力的なな態度に豹変するかもしれない。
Aさんの表層に見える行動よりも、内面にある実績・経験が役立つかに注目したい。Aさんの行動は一旦横に置き、実績や経験が役に立たないか考えてみたい。Aさんの経験を活かすことができたら、結果的にAさんを活かすことになる。
負けず嫌いな人⇒目標を共有すれば協力的な人
負けず嫌いな人は、他人に負けるのが嫌というより、他人に負けた自分を見せたくない・受け入れたくない。という心理的な因果がある。だから関係者や組織に役立つ目標をAさんと共有できないか試みる。
例えばクレーム率を前年比20%削減するために、お互い何が出来るか考える。その方策の中にAさんの実績や経験に基づく意見が盛りこめれば、さらにAさんは協力的に動くだろう。
余計な責任を取らない人⇒自分の責任は全うする人
Aさんは人が考えたルールではなく、あくまでAさんの考える範囲の責任は全うする。プライドが高いAさんは、Aさんの解釈で「◎◎はこうあるべき」というものが存在し、人から押し込まれる変化を拒む傾向があるので、周囲からすれば少々面倒だ。であれば、Aさんの解釈を変える努力をするよりも、Aさんが一番力を発揮する部分で仕事をしてもらった方がお互い楽なのだ。
他に示しがつかない・私も好き勝手にやる。といった新しい問題が発生する恐れがあるが、これらも全体の目標を共有して、一人一人が経験や知恵を発揮しながら進んでいくことができれば、結果的に纏まっていく。
組織の課題に人間関係はつきものだ。仕事に不満はなくても人間関係に悩み・病んで離職する人は後を絶たない。人間関係はどちらかが一方的に我慢しては長続きせず、お互い歩み寄ったり同じ方向を目指すことでより良い関係が築けるもの。
そのためには、相手が譲歩するのを待つのでなく、まずこちらからできることをしてみたい。必ず相手の譲歩を引き出せるとは限らないが、この姿勢・経験はあなたを人間的に深みをもたらすことは間違いない。
【参考】過去記事:ダメな自分を受入れるから長所が際立つ – hataraku日記