千葉市内のある図書館での話。

外観に見事なゴーヤカーテンがあったので勤務中の司書に声を掛けた。穏やかな雰囲気を醸し出す老年の女性だ。

川:見事なゴーヤカーテンですね。

司:あら、それほどでも。

川:とても涼しげです。

司:嬉しいですねぇ。そんな風にご覧いただいて。

川:お手入れも行き届いてる感じがします。

司:職員が少しずつ気にかけているからでしょうか。

川:成長の秘訣などはあるのですか?

司:そうですねぇ、、、期待しすぎないことでしょうか。

(意外な答え。もう少し聞いてみたい)

川:興味深いお答えですね。期待しすぎないとは?

司:期待は私たちが望む結果にすぎません。植物の成長は自然なものですから、天候なども見ながら毎日できる事をしております。

川:もし枯れてしまったら、とか思いませんか?

司:そうならないように願いながら接しています。

川:貴重なお話、ありがとうございました。

ゴーヤを新入社員に置き換えてみたらどうだろう。

もちろん組織が人を育てるのであれば、早く戦力化して稼げる(活躍できる)人材になって欲しいと考え人材に投資する。だから一定の時期に目標基準へ到達するよう教育していることが一般的だ。

植物が自然に成長していくことと同じように、成長を望まない新人・停滞を目指す新人はまずいない。しかし育てる側が目標を意識しすぎて、過剰な成長を促すのは植物を上に引っ張り上げようとすることと同じかもしれない。もし続けていくと途中でブチンと切れてしまったり根っこから抜けてしまう。

人口が減少し若者の価値観が多様化した採用難の時代。特に中小企業はブランド力や競争力は発展途上の企業も多い(当社も含めて)。そのような環境で人を育てる「あり方」の一案として、肩の力を抜いて期待し過ぎず、こまめに変化に気を配りながら、毎日出来ることをしていくことかもしれないと思った。

まるで植物を育てるように。