以前あるリゾート施設へ宿泊した話。
事前に口コミをチェックしたら従業員の接客態度に賛否があり、実際に行ってみたら「なるほど」と納得。フロントやサービスカウンターなど宿泊者のニーズが高いスタッフの接客スキルは高いが、売店や送迎バスなどスポットのポジションは当たりハズレが多いのだ。
冬場はスキー場なので敷地が広いのだが、フロントの研修生と宿泊棟から少し離れた売店のアルバイトにそれとなく聞いてみた。
<フロントの研修生(推定:20歳前半)>
川:接客が素晴らしいですね
研:(自然な笑顔で)ありがとうございます
川:きっと教育が行き届いてるんですねぇ
研:ハイ、上司の先輩を見習って早く成長したいです
川:どんな教育を受けてらっしゃるのですか?
研:定期的な教育もありますが、、、人としてどうあるか、みたいなことを話し合うことが参考になります。うまく言えませんが。
<売店のアルバイト(推定:20歳前半)>
川:接客が素晴らしいですね
バ:(鉄仮面で)そうすか?
川:きっと教育が行き届いているんですねぇ
バ:マニュアル通りにやってるだけですよ
川:どんな教育を受けてらっしゃるのですか?
バ:マニュアル読んであとはよろしくー。みないな感じッス。
彼らにも上司が居る。
マニュアルが悪いのはなく上司の真意がアルバイトに伝わっている結果。「マニュアル通りにやれば問題ない」上司がそう思ってバイトにマニュアルを渡すからバイトがその通りになる。
結局上司やトレーナーが、どのような心で仕事や顧客と向き合おうとしているのかが部下に映し出される。
マニュアルは文章にできるが心は目に見えない。伝える事に王道はなく時間もかかる。だから教える側には情熱が要る。すぐ見限ったりさじを投げる人を育成のポジションに置いてしまうと悲劇だ。
だから誰を育成するのかも大切だが誰が育成するのかが重要。
なぜなら上司の心が、部下の行動に映し出されてしまうから。