採用や講演など人前で話をするようになってから、手軽なお手本をいろいろ模索したが落語が一番腑に落ちている。
落語はぜんぜん詳しくないし寄席に行くわけでもないが、聞き手を惹きつけるプレゼンに大切なポイントが落語には詰まっている。
1.呼吸
浅い呼吸は悟られます。まるで肩や喉で息をしているような浅い呼吸は話が薄っぺらく聞こえてしまう。深く堂々とした呼吸から滲み出る雰囲気は聞き手を安心させる。
2.変化
人は、単調なものは飽きてしまいます。どんなに熱く話しても最初から最後までずーっと一定では聞き手は疲れるもの。スピードや話の抑揚を変化させると聞き手が飽きずに聴いてくれる。
3.間
間の無い話は疲れます。まるで機関銃のようにベラベラ話しても、聞き手には要点がわからない。だから伝わらない。間を与えないと聴いた話を整理したり質問を考える暇を与えないのと同じ。逆に一瞬の間・たっぷりの間があると「次は何を言うのだろう」と聞き手の心境が前のめりになります。
この状態で伝えたいことを話すから、相手に突き刺さりやすくなるのです。
こうした伝え方のノウハウは本屋やセミナーなどでも沢山あるが、付け焼き刃では絶対通用しません。上手く話そうとして話し方ばかりに意識が向いてしまい、肝心の中身が薄っぺらくなるから。
だから落語を一度聞けばプレゼンが上達すると思ったら大間違い。何度も繰り返し見てやってみるうちに気付いたら上手くなっている。
基礎練習は地味で目立たないからこそコツコツ続けていくことが、深い根っこを育て、やがて果実になると思うのです。