先日、営業マン向けのセミナーを終え、参加いただいた皆さんの感想を一枚一枚読み返していたとき、ふと手が止まりました。
「ホワイトボードの字が読みにくかった」
という感想をいただきました。
その方は、受講中とっても前向きでした。笑顔で大きくウンウンと頷いてみたり、時間を惜しむようにメモも沢山取られてたのを思い出しました。と、同時に話しながら心の片隅で
「伝えたいことはきっと届いているはずだ」
「このくらいで書いておけば読めるはずだ」
と、いう慢心が入り込んでいたと思い、ゾッとしたんです。
もしかすると、本人には届いていたかもしれません。しかし、このコメントをどんな気持ちで書いてくださったのか想像してみると、私の所作が少しずつ雑になっていたり、雑にさせてしまうような油断が入り込んでいたのかもしれません。
第三者の目はとてもシビアです。自分がこだわっていることでも、相手にとってはどうでもよかったり、何気ないちょっとした振る舞いが、参加者の印象に残ることもあります。
7年前に登壇した千葉のデビュー戦は、右も左もわからず緊張しまくりでしたが、全力で最後までやりきること・受講者に満足して帰ってもらうことだけを考えていました。
「届いてるだろう」ではなく
「本当に届いているか?」の意識でした。
人前で話すときに「油断や隙が生まれていない?」「初心を忘れていないか?」と、振り返るきっかけをいただきました。そこに気づかせてくれた、受講者の方には本当に感謝です。
藤井聡太棋士がタイトル防衛で史上最年少で九段に昇格しましたが、インタビューで「初心」を掲げてました。
経験を積み自信を持つことはもちろん大切。
そして人前で話すときは「初心と謙虚さ」を忘れてはならないと思うのです。