食事をしてから歯磨きをせず、テレビを見ている子どもがいるとします。
それを見た親は
「虫歯にならないようにはやく歯磨きをしてほしい。」
「メリハリのある生活習慣を身につけてほしい。」
と、子どもの将来がつい心配になるものです。するとつい、、、
「早く歯を磨かないと虫歯になるよ!」
「そのままじゃだらしない大人になるよ!」
こうした正論で子どもを動かそうとします。
子供が小さいときはそれでもいいかもしれませんが、だんだんと自我と意見を持ち始め、親の正論や命令だけでは動かなくなります。
むしろ正論を押し込むほど、反論や反発へとつながり、最終的にどちらかが折れないと収束しない「勝ち負けのコミュニケーション」へと繋がります。
一方的に命令された子どもは面白くありませんし、親も子どもがいつまでも動かずにイライラするばかり。
ここにアドラー心理学「課題の分離」を当てはめてみます。
歯を磨くことは子どもの課題なので、大人は子どもの課題には踏み込みません。もし関わるとしても
「○○ちゃん、歯は磨いた?」
「あー歯磨きしたらサッパリした!」
と、子どもが「自分は歯を磨いていない状態」ということを気づかせるだけで、その後の行動は子供の問題と考えます。
一見、無責任のように見えますが、子どもの事情や気持ちを汲むことなく一方的に正論を押し込むと、スポットライトは子どもではなく親に向いています。
子どもは敏感に感じ取り「自主的に動く」のではなく「親に言われたから(しつこく言われないように)仕方なく動く」という、言われなければやらない受身体質へと繋がります。
言われたことだけやる。
言われたから動く。
これはロボットが最も得意なこと。
今の子どもたちが大人になる頃は、間違いなくAI・ロボットとの共存社会です。子どもたちの将来を考えるなら「自分で考えて、自分から動く」という点は、子育てでも重要なポイントだと思うのです。