神奈川県立釜利谷高等学校。
現在35歳~50歳くらいで、バレーボールに関わった人なら大抵知られていると思います。弱小だった公立高校のバレー部に就任し、わずか数年で全国大会の常連校まで成長させた蔦宗監督の著書。仕事で人材育成に関わるようになって、この本を開く機会が増えました。
なぜなら、色々読んだ教育論の中で一番現場に活用でき機能したから。その中でも腑に落ちて大切にしている一文が
私たち指導者はバレーボールを通して、選手の人間性の育成に重点を置き、立派な社会人になれるように育てることだと思います。
そのためには一人一人の選手の努力を認めてあげ、不公平が無いようにしていきたいものです。
(第一章 勝てる指導者になるために )より引用
教育者が自分本意になった瞬間から、その教育は目的を見失う気がします。自分と相手では時間軸が違うので、相手にとって教育は通過点に過ぎません。その通過点=一定期間で、指導者はどこを向いて何をするかで、生徒の人生に大きく影響するのが教育と感じます。
人材育成に日々関わると、相手が理解した・変化した・行動したことで満足しがちです。ただし、その瞬間から教える側の成長は止まると思うのです。
社会に役立つ大人を育むことに終わりはないし、人によって手段はいくらでも変わる。行動経済成長までは人の価値観がほぼ同じなので教育も箱詰め一律で良かった。
今は価値観が多様化し当たり前/常識/こだわりが十人十色なので、過去の成功体験をマニュアル化して当てはめても機能しないことが多いです。しかし軸は必要で、迷ったり困ったしたとき原点に立ち戻れるものがあると、いいなと思う。
そんな一冊。