ある高校生Aくんとの話。
A:バスケ部でキャプテン任されたんです。
川:おー!部員は何人くらいなの?
A:20人くらいです。
川:突き抜けたねー。で、やってみてどんな感じ?
A:チームを纏めたいんですが、何をすればいいのかよくわからなくて
川:先生からアドバイスは?
A:視野を広くしろって言われました。
川:ふむふむ、で視野を広くしてみたの?
A:そもそも何をどこまで見ればいいのか、よくわからないです。
川:先生は何と?
A:自分で考えろって
リーダーが物事の全体を捉えるイメージを「カーナビ」に例えてみました。
- 背景:今どこにいるのか
- 目的:いつまでにどこを目指すのか(目指す場所には何があるか)
- 手段:そのために何をするのか
チームをまとめていきたいのなら、この3つを部員にキャプテンとして本音で伝えていくといいよ。そして部員が同じように個人個人でナビルートを設定できれば、チームは自然に纏まっていくから。
ただ一つだけ前提があるんだ。
人と人が現実と向き合ったり未来の話をする時、もっとも大切なことは信頼関係。部活でキャプテンを任される人って、部員から信頼されていたり・自分から信頼を築いていける人。決してプレーが上手いからではないよ。チーム全体を考えながら部員一人一人にも耳を傾けられる。そんな人がキャプテンに選ばれる。
そして、この経験は社会に出てからすごく役立つと思う。
なぜなら、どんな仕事でも正解はなくて正解らしいものがある。だから自分で答えの旗を立てて、コストと納期を考慮してすじ道を考え行動していくことが求められる。そして仕事は一人ではできないから、都度関係する人を巻き込んで進めていくことができると、仕事がすごくやりやすくなる。
人の感情や目に見えないものを扱うのは難しい。でも、目に見える誰でもできる単純作業はこれからロボットがどんどん処理できるようになっていく。
だからAくんが今から考えることは、バスケ部を良くすることだけでなく、Aくんが大人になってから社会で生きる力を練習していることと同じだよ。自分で考えた旗を一度先生に見せて伝えてみよう。事前に先生を巻き込んでおけば、足りない部分は指摘してくれたり、後々で協力を得られやすくなるから。
やってみよう。
必ずできる保証はない。でも必ずできない保証もないから。