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社員旅行で伊豆を訪れ

朝、旅館の近くをジョギングしていたら

散歩中の老婦人に出会った。

 

御歳98歳。元学校教員。

人生の大半を学校で過ごされて

数えきれない程の生徒を育ててられたと仰った。

 

杖は使うが姿勢がよく

相手の目の奥を見ながら話す様子は

人生の大半を教壇で過ごしてきたのもうなずけた。

 

「便利な世の中になったねぇ」

「お婆さん達が時代を作って頂いたお陰ですよ」

「やっぱり平和が一番だねぇ」

 

「教師をやられてどんなことが一番大変でしたか?」

「教え子に先立たれるのは辛かったねぇ」

「それは辛いですね、、、喜ばしい思い出はありますか?」

「教え子の結婚式は何度でも嬉しいねぇ」

「お婆さんと出会った生徒さんは幸せだと思いました」

 

「お仕事で大切にされたものはありましたか?」

「そうねぇ、、、相手を想うことくらいですねぇ」 

「共感します。私も教育に関わっていますので」

「人はみんな違いますから、しっかり見てあげたいものですねぇ」

 

「勉強になります、とても」

「これから、、、よろしく頼みますね」

「わかりました、ありがとうございました!」

 

少ない口数、話の間(ま)からも

メッセージがビシビシ伝わってくる。

 

時代を生き抜いた人だから

一言ひとことにお婆さんの経験が

缶詰のように凝縮されているようだった。

 

最後の一言、宝物にします。

お婆さんどうもありがとうございました。