帰省して外食した時の話。

 

小腹が空いた13時半頃、和食系の飲食店に家族・両親と一緒に外食しに行きました。

 

店内はテーブル・座敷それぞれ30席ほどのお店。入口には満席の案内があり「正月だから仕方ないよねー」と雑談しつつ、3組ほどの先約を確認し待つことにしました。ところが待てども待てども順番が回ってこない。1時間ほど待って案内をされ、店内を見渡した時に愕然としました。

 

全部で60ほどある座席の半分が空いていたのです。なぜ空き座席があるのに満席案内をしていたのか。そう、三が日のスタッフが確保できずキャパオーバーを起こしていたのです。そして着席後オーダーを頼んでも料理がまったく出てこない。

 

結局名前を記入してから会計まで2時間半。そのうち飲食をしている時間は30分程度。残り時間はすべて待ち時間でした。お正月ですから多少の混雑や、普段と変わらないサービスの提供は無理もないかもしれません。

 

しかしお店が提供できるサービスの許容量には限界があります。刻々と変化する需要をピタリ予測することはできませんが、需給バランスがあまりに崩れてしまうと、しわ寄せは「現場の負荷」と「来店した顧客」へ向かいます。

 

ふと思い出したのが昨年クリスマスの「ドミノ・ピザ」。原因は来店(持ち帰り)でピザ1枚無料かは定かでありませんが、予約が殺到してしまい肝心のピザが時間通りに受け取れない顧客が続出したことがネットで騒がれました。

togetter.com

 

民間企業は利益を出し続けていかなければ生き残れません。理念も必要ですが顧客の評価を利益という形で受け取らなければ存続することができません。しかし経営側が売上・利益を重視するあまり、現場のキャパオーバーを無視した運営を続けていればいずれ限界がきます。

 

時間的にも精神的にも余裕がなく、ただ目の前の仕事を処理し続ける状態は売上は最大化できるかもしれない。しかし問題解決や新たな改善もできず、スタッフ同士の気配りする余裕もなければ、顧客に付加価値を提供することは難しい。

 

非常事態であれば、サービスレベルを事前に明示して営業するとか、どうしてもスタッフが確保できなければ休業するとか。「できること」と「できないこと」を顧客にきちんと伝える。背伸び営業を続けることは、顧客のためにならないことを目の当たりにして勉強になりました。

 

車のブレーキやハンドルのように、安全運転には適度な余裕が必要。これは運転も仕事も同じことだと思うのです。

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