キングコング西野氏が、著書「えんとつ町のプペル」をネットで無料公開したことが話題になっている。
23万部も売れている人気の絵本をネットするなんて前代未聞。しかし前例がないことを思い切ってやるからこそ話題になるのかも。
この話をキャリアの観点から見ると、就活生や転職者にも大いに参考になる点が沢山あると思った話。
届かない人に届く価値
つまりネット(無料)で自分を公開することは、社員が欲しいけれど有料の求人媒体には掲載していない会社、成功報酬(初期投資)が高く人材紹介を使わない(使えない)会社、時間をかけて選考する時間と手間がない会社といった、届かない人に届くのではないだろうか。
もちろん最後は会ってみなければわからないが、無料で知ってもらえる状態にあることって、転職者同士の中で大きなアドバンテージになる。だってそんなことしている人は希少だから。
Web製作・ライター・カメラマンといった実績が成果物として残る仕事はポートフォリオがある。でも企画職・技術職・一般事務職などでも、客観的に見て自分は
- こんな人です(性格・人柄)
- こんなことができます(実績)
- こんなことに役立てます(能力)
- こんなことやってみたいです(展望)
といったことをネットで公開すると、上述のような企業にもあなたを知ってもらうことができる。もちろん履歴書や応募の段階でネットのURLを載せるのも有効だ。
企業の採用選考はまだまだ紙文化
なぜなら最後に面接(リアル)があるから。エントリーの段階ではホームページやナビサイトなどから電子データで流れてくるが、選考が進んでいくと履歴書を印刷して面接するような企業はまだまだ多い。
そして、面接では応募書類(紙)から質問を投げて深掘りする。紙と対面の印象をすり合わせたり、不整合がないか確証を取りながら進んでいく。面接官が慎重に慎重に・質問に質問を重ねるのは、ミスマッチを避けたい・言い換えると不安の解消。
早期離職/能力不足/人間関係で問題を起こさないか、などなど採用後に活躍できそうな人かどうか、確証を積み重ねるべく書類と対面から判断していく。逆に言うと書類と対面しか判断材料がないのが現状なんです。
企業人事の本音は、戦力になる人となるべく安価に出会いたい、選考の段階ではなるべく多くの安心材料が欲しいと考えている。
ネットで情報公開する価値と可能性
就活生や転職者がネットでプロフィールなどを公開することは、双方に価値があると思う。書類選考では応募書類と加えてネットの公開情報をマージしてジャッジできるし、興味を持って会ってみようと思う会社も出てくる。また求人企業に出てこない会社にあなたの存在がリーチされることで、あなたに興味を持った会社が向こうから連絡してくるかもしれない。
ネットは物理的な距離をゼロにしてくれる。
より自分に合う企業で働きたいと思うのなら、転職エージェントに投げるだけでなく、自分の言葉で自分を公開することが、縁を手繰り寄せるきっかけになると思うのです。