ある人事担当者との話

「縄張り意識が強い社員(仮名A)がいましてねぇ」

「Aさんに役割や職域は?」

「ある程度はあります。ただ川島さんもご存知だと思いますが、中小企業は複数担当になったり、役割が決まっていない作業もあるんですよ」

「人員が限られていますから仕方ないですよね。取り組み方次第で成長してお得という考えたかも(笑」

「そういう考え方ならいいんですが(笑)。Aは処理能力が高いのですが、自分の解釈で仕事の線引きをしてしまうんです」

 

「もったいないですね。会社も本人も」

「やたらと線を引きたがるし、最低限のことしかしようとしないので、Aへの仕事が減り社内でも孤立していきました」

 

「Aさんとは歩み寄れそうですか?」

「退職しました」

「そうでしたか、、」

A曰く「私は義務を果たしたうえでの権利を言っているだけなのに、周囲は理解してくれません。このような環境では続けられませんので辞めます」と。

 

「何だか皮肉ですね」

「ええ、自分の都合を周りに主張しすぎた挙句、自己都合で退職になってしまうのですから」

 

組織は人そのもの。

仕事という食べ物が体に入り

いかにいい状態で循環させて

強くしなやかな体質を作っていくか。

 

もし部署間や担当間で押し付け合いとなり

仕事が滞ってしまうと

血液の流れが悪くなっているような状態になる。

長引くと血管の前後に負担と支障をきたし

やがて体(会社)全体に少しずつ悪影響を及ぼしていく。

 

だからなるべく仕事がスムーズに流れるように

役割が決まっていない仕事は

余裕のある人・部署が分担して巻き取っていくなり

仕事の断捨離・仕組み化・パッケージ化などして

体全体をいい状態に保つような意識で関わりたいところ。

 

だから特定の場所で

自分の都合ばかり主張するのは

一見自分の身を守っているようで

自分の血流を悪くしているのと同じ。

 

それはやがて

体全体の環境を悪化させていることに

早く気づいた方がいい。

 

何より周りが迷惑するから。