例えば上司からコピーを頼まれたとして、部下は初めて見る機種で使い方がわからず、遅くなったとします。

「遅いなー、コピーもまともに取れないのか!」

と言われたら部下はどう思うでしょうか。

結果だけを見て裁くのは簡単だが、結果に至るまでの経緯を踏まえず一方的に判断され続ければ、心はやがて固く閉ざされる。

一方で

「ずいぶん時間かかったね。もしかして何かトラブルでもあった?」

と言われたらどうでしょう。

経緯があっての結果です。経緯はその人の判断や行動の積み重ねですから、経緯を無視するということは、その人の行動や考えを間接的に無視するのと同じことなんです。

だから心が閉じる。

どんなに素晴らしい言葉を放ったとしても、相手の心が閉じていればあなたのメッセージは届きません。耳に入る前に跳ね返されるか、耳を通過して反対側から出ていくでしょう。

もちろん仕事の最終目標は結果だが、相手の感情を無視して結果だけ見て正論を言うだけならプログラミングされたロボットと同じです。

ロボットには心が開きづらいように、結果だけで裁かれ続ければ、心を閉ざし、やがて疲弊し、人間関係に潤いがなくなっていきます。しかし、時間に余裕がなかったり気忙しいときほど、ついつい結果だけ見て裁いてしまいがちです。

血の通った人間同士だからこそ、結果だけでなく経緯にも目を向けることが潤いのある人間関係に繋がっていくと思うのです。