リーダーシップ能力
会社でも部署でもスポーツチームでも、先行きが視界良好で好調なときは、メンバーのモチベーションも高く雰囲気も良いものです。
しかし、一方で
「先行き不透明でこの先どうなるのか」
「一体いつまでこの状況が続くのか」
「本当に困難を乗り越えられるのか」
といったように、メンバーが不安になったり、モチベーションが下がっているときほど試されるのがリーダーシップ能力です。
2019年12月、中国武漢市でコロナウイルスの発生が報道されたとき
- 7月の東京オリンピックが延期となり
- 全国学校が2ヶ月以上休校となり、子どもたちは夏休み期間以上の在宅
- インターハイや甲子園をはじめ全国各地のイベントは中止または延期
- 企業は出社制限やテレワークで人と接触できなくなり
- 鉄道・新幹線・飛行機もガラガラ
- 都内でも飲食店・ホテル・タクシー会社など含め壊滅的な打撃を受け
- 観光地が「来ないでください」と声を大にして発信する
わずか数か月でこんな状況になるなんて想像できたでしょうか。
関係者全員が諦めたり・嘆いているだけで行動しないなら仕方ありません。しかし、それぞれの持ち場・役割で頑張っているものの、それでも状況が悪化していたり・好転の兆しがなかなか見えてこない時こそ、リーダーは何を考え・何を決定し・何を語るのか、メンバーはよく見ています。
あらかじめ断っておきたいのは、この記事は政府や各地方自治体の対応を否定するものではありません。むしろ流れてくるメディアの報道には偏りもあると感じています。各自治体の首長をはじめ、医療関係者の方々、想像を絶する使命感を持って対応に当たられている人も沢山いらっしゃると思います。
私は社会人になりたてのころ、リーダーシップ能力が必要な人は、社長・部長・先生・キャプテンといった役職や肩書きがある人だけで「リーダーシップ能力なんて、役職者になるまで必要ない」とまで考えていました。
今思えばこうした価値観にどっぷり浸かってしまうと
「困った時はリーダーが何とかしてくれるだろう」
「言われたことだけやっておこう」
「得するならやるが、損をするならやらない」
このような思考パターンで行動するかしないかを判断するようになり、受け身気質の人材ができあがります。
いままで経験のない未曽有の事態になったとき、困難を打破するのはやはりリーダーシップ能力を発揮できる人材であり、不安定な世の中においてはリーダーシップを発揮できる人をいかに育てていくかが、会社の未来・国の未来をも左右する。ということは、子供たちや次の世代に残す未来を左右すると思うのです。
では、困難な状況でリーダーシップ能力を発揮している人に共通する行動とは何でしょうか。(主観です)
- 自らを捧げる使命感
- 全てを背負う覚悟
- 苦しい時ほど率先垂範
- 目的に対して非情で合理的
- 熱量に溢れ人を巻き込む
もし、学校の先生がこれらのリーダーシップを発揮して生徒に関わったら?
もし、会社の上司がこれらのリーダーシップを発揮して部下と関わったら?
もし、家庭の父親がこれらのリーダーシップを発揮して子供と関われたら?
あなたを取り巻く、会社・部署・チーム・学校・家庭はどのように変わっていくでしょうか?
もし、あなたがリーダーシップ能力をさらに発揮できたとしたら、周りとの人間関係や、仕事・人生はどのように変化するでしょうか?
リーダーシップ能力は、役職や肩書きがある人だけ備わっていればいいのでしょうか?
否。
全ての人たちがリーダーシップ能力を発揮できる集団は、2020年を沸かせたラグビー日本代表のように、困難に立ち向かい・乗り越えていける「強く・しなやかな」な集団になります。
リーダーシップ能力は持って生まれた資質でしょうか?
否。
誰でも発芽する種を持っていますし、きちんとした教育があれば、誰でもリーダーシップ能力は発揮できるようになります。皮膚呼吸からエラ呼吸にするのは人体の構造上できませんが、人は誰もが赤ちゃんから始まっています。人が身につけて出来ているものは、身につく早さは違えど後天的でも身につけられるのです。
感染症はコロナウイルスだけではありません。世の中にはまだまだ未知なる感染症が沢山あると言われています。第2第3の感染症がまたやってくる可能性は十分にあると考えておいた方がいいでしょう。
さらに感染症だけでなく、地震・津波・水害といった自然災害もいつ降りかかるかわかりません。
こうした不安定な時代を生き抜くために、先行きが不透明な乱世の時代は、本物のリーダーシップを身につけた人こそ価値を放ち続けると思うのです。