駅でエスカレーターと階段が併設されている場合、エスカレーター前に行列ができて階段はガラガラといったシーンをよく見かけます。
先日初めて利用したある駅では、降車したほぼ半数の人が階段を利用していました。遠くから見ると「階段に何か書いてあるなぁ」と、近づいてみたら、、、
子供に「将来のために宿題をやりなさい!」と言っても動かないのと同じように、大人に「健康のために階段を利用しましょう!」といったような、言葉(正論)だけでは人はなかなか動きません。
心理的に「やらされ感・言われちゃった感・あなたには言われたくない感」が残るためです。
一方で、階段を使ったほうが運動になること・体にいいことをイメージさせたほうが人は動きやすいようです。
「少しはカロリー減っているかなぁ」
「毎日階段を使ったら1ヵ月後どうなるかなぁ」
「もし今より5kg痩せたら何ができるかなぁ」
といったようなイメージができると自分の意思で動いていく。やらされることなく自ら動く。人を動かすシンプルな仕掛けで勉強になりました。
余談ですが、子供たちが通っている小学校の階段には、四字熟語やことわざが部分的に書いてあって、上っていくと答えがわかるようになっています。
命令や正論は言う方は簡単ですが、相手は自発的に動きません。
もちろん緊急時など必要なときもありますが、命令が日常的になると相手は自ら考えることを止め、言われたことしかやらなくなっていきます。
相手が動くきっかけを作ったり仕掛けることで、相手が自ら考え・経験するようになると思うのです。