船橋北高校での進路ガイダンスに参加しました。

進路の方向性が定まった3年生とは雰囲気が全く違い、溢れるばかりの不安な気持ちを精一杯押さえてメモを取る姿に、心が揺さぶられました。ありがとうございました。

高校生が進路選択する背景

対象は民間就職や公務員を検討している高校2年生。千葉県の公立高校では10月~11月に修学旅行を終え、この本格的に進路の準備を始める学校が多いようです。

大学生でさえ就活に悩み、ネットや人脈を駆使したり、キャリアセンターや民間・NPOなどのコミュニティに参加し、広い視点で進路を決めていきます(一方、情報が入りすぎて苦しむ学生がいるのも事実です)。

しかし高校生の場合、学校の先生や親御さん以外に進路を相談する場がほとんどありません。自分で情報収集するとしたら、授業で行う進路ガイダンス、学校の求人票、あとはネットです。高卒求人は未成年ということもあり国の制約も多く、企業が学生に直接アプローチすることはできません。

すると家庭環境や、受身の選択肢の中から進路を選んだり、「何となく」進路を決める学生が出てきます。その結果、新卒3年で50%が離職。企業も「高校生は定着し辛い」という価値観が出来上がっています。

心構えとは

学生に「心構えが大切だ!」と言っても、学生は何をしたらいいのかわかりません。「高校生らしさで面接に臨もう」と言っても、高校生らしさって何?では不安は消えません。

物と情報が溢れる不安定な時代を生きるには、一生懸命頑張るだけではなくツボとコツが必要です。高校卒業後の進路選択だけでなく、後々の人生でも使える「心構えのツボとコツ」。

それは「目的と目標」を区別すること。お金を稼ぐことは目標(手段)。お金を稼いでどうなりたいのかが目的です。特に高校生は、目的意識を持って学校に通っている人は少なく、中学校の延長線上で通学している学生が多い印象があります。

しかし高校生と接して感じるのは「目的が無いのではなく、埋もれている」ということ。だから進路の目的を見つけるには、沢山の大人を見て・話して・感じてほしいと思います。世代の違う大人や価値観の違う人と接することで、「就職ってメンドクサイ」「大人って何か大変そう」という漠然としたイメージから、働いた先にあるものが見えてきます。

そう、版画で余計なものがそぎ落とされていくように。