大学でテニスサークルを運営する大学生(Sさん)との話。
試合に勝ちたいとか上手くなりたいではなく、テニスを楽しみながら友達を広げたいが人間関係で悩んでいるようだった。

「Sさんの周りはみんないい人そうだね」

「そうでもないですよ、結構トラブってます」

「どうしたの?」

「サークル内のメンバー同士、相性が良くないみたいで」

「というと?」

「経験者が未経験者に教えようとして、大きなお世話!とか」

「あー、なるほどー」

「飲み会でもアイツが来るなら行かないとか」

「大変だねー」

「いつも人間関係で揉めるから面倒になってしまって」

「テニスも嫌いに?」

「好きです。上手い下手でなく共通の友達が増えればなー、と」

「私が参加してる稲毛駅伝部が参考になるかも」

「聞かせていただけますか?」

 

 

稲毛駅伝部は起動から1年半の駅伝サークル。
千葉市や近隣の社会人が「楽しく走ること」を目的に活動しており私はリーダー役。メンバーの仕事は異業種、世代も20前半~50台までバラバラですが、大きなトラブルなく楽しく活動しています。

 

今回のSさんのように「テーマを楽しみたいけど、人間関係でトラブルが多い」という話はたまに耳にするので、リーダーの立場でコミュニティを運営するポイントをまとめてみます。話の概要はこんな感じ(所要時間はざっと読んで3分、ゆっくり読んで5分)。

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コンセプトを作る

駅伝部のコンセプトは「楽しく走り、仲間を応援する」ことにしています。

 

脚が速い・遅い/経験者・未経験者かは全く関係ありません。走ることを楽しめるか、楽しみたいか。そして楽しく走ろうとする仲間を応援できるか。ここに共感してもらえる人ならランナーでもマネージャーでも歓迎してます。逆にこのコンセプトに賛同出来ない人はタイムが速くてもスキルが高くても入部はお断りです。

 

コンセプトを作り・可視化し・定期的に発信していくことはとても大切。サークルの根底を支えるものなので、リーダーが自信を持って発信していくことで共感した人が集まりやすく意に反する人は離れて(←ココ大事)いきます。

 

コンセプトを掲げてコミュニティに浸透していくことに力を入れる。リーダー役が一番力を入れることと言っても過言ではないと思います。「何を大切にするのか」「何を優先するのか」は意見や考えをまとめる際の旗印となり、トラブルも起こり辛くなります。そして着地点に納得できれば原動力もうまれてきます。

 

活動を可視化する

そしてコンセプトや活動内容を記録し・継続して発信していくことが大切です。なぜなら人間は忘れやすいので。

 

駅伝部のメンバーも仕事はバラバラ。事業主やフリーランスの人もいれば会社員で全国を飛び回る人もいます。こうした時間も場所も違うからこそネットの出番。駅伝部はブログ&ホームページ、あとはフェイスブックを使っています。

  • ホームページ・・・全体概要
  • ブログ・・・大会や練習会のようす。
  • フェイスブック・・・自主連のようす、大会のようすをメンバーが自由にUP、大会案内、出欠確認なども

 

そして走るきっかけもメンバーでさまざま。

  • ハーフやフルマラソンなどにチャレンジする人
  • 大会や練習会に行けなかった人
  • 怪我から復帰して少しずつ走り始める人
  • 最近太ったかもーとダイエットする人、、、。 

色んな人がいるから色んな想いがある。だからコンセプトや活動のようすを表現できる場所を「見える化」しておくことで、メンバーの一員であることを感じやすくなり、お互いの気持ちを理解しやすくなると思います。

 

信頼関係を育てる

駅伝部への入部はメンバーの紹介制にしています。サークルだから誰でもオッケーにはしていません。なので入部の際には誰かと繋がっていただくか川島と事前にお会いしていただいてます。※興味がある方には、部員外でも参加OKな練習会を用意しています。

 

新しい参加者がランを楽しめる人か・仲間を応援できる人かは、人が判断するしかありません。だから「この人だったら駅伝部に紹介してもいい」とメンバーが思ってもらえるか。そのために部の雰囲気や楽しさを居心地のいいものにしておきたい。

 

こうした環境作りを行い、メンバーが部のコンセプトを踏まえて大切な知人を紹介してくれるからこそ、全面的に信頼して歓迎しています。

 

迷惑行為への対応

とはいえ人間同士なので問題は出てきます。しかし大小トラブルを毎回リーダーが消火活動して回るのはいいようで実は害になると考えています。何かあったらリーダーに丸投げしようと考える人も出てくるし、リーダー自体も疲弊します。

 

大人同士なので程度が小さければ、当事者同士が話し合って解決に向かうのが理想的。例えば子供同士のケンカに毎回担任の先生が介入するのでなく子供同士が話し合い納得するようなイメージ。そのためにもコンセプトは大切なん。そして「何かあればリーダーが毅然と対応する」という姿勢をメンバーに感じてもらうことで、無法地帯でもなく強制もされない、安心して楽しめるコミュニティに育っていきます。

 

まとめ

サークルは、組織のように指示・命令や対価清算のような仕組みでは回りません。好きなことが居心地よく楽しめるか。共通の趣味を持って集う人といい人間関係が作れるかどうか。

 

そのためには「コンセプト」を明確にして発信し続けることで、楽しいコミュニティが持続していくと思うのです。