人は正論を押し込まれることを本能的に嫌う。
子供でも、部下でも、顧客でも。
正論の典型は「命令」だ
- 宿題やりなさい!
- 明日学校でしょ?!早く準備しなさい!
- 例の資料、忘れずにやっておけよ!
- なぜ失敗したんだ!もっと早く報告しろ!
- お客様今日決めましょうよ。お買い得ですよ!
正論を押し込むほど相手は反発して動かない。
それは結果=今だけを見て一方的に否定されたような心境になるから。
結果には因子・経緯がある。
楽しんでいるものを一方的に否定されたりこれからやろう思っていた矢先に、指摘されたりすると「イラッ」とする。
だから動かない。すると言った方は
「あの子は親の言うことを聞かない」
「彼の仕事には主体性がない」
「正しいことを伝えても売れない」
となり、ますます悪循環に陥る。
子供でも大人でも認められたい・ほめられたい、自分で決めて動きたいと思っている。だから相手を動かしたければ相手を認め、確認するといい。
- 楽しそうに遊んでるなぁー、ところで宿題はどうなってる?
- **さんいつも助かるよ。ところで例の資料、進捗はどう?
- いいものをお使いですね。とてもお似合いですよ
ただし例外もある。
子供の生死に関わるような場合や部下が絶対に道を踏み外そうとしているときは、確認するまでもなく「そっちへ行ってはダメだ!」と、毅然と対応すべきだ。
命令で相手を動かすには相手との信頼関係が前提になる。そして命令を安易に多用すると信頼関係が少しずつ崩れていくものなのだ。