小学生のバレーボール教室でのお話です。参加している子どもの9割は女子でバレーボール未経験。参加のきっかけは
- 親から進められて
- 家から近いし、友達が参加しているから何となく
- 他のスポーツもちょっと試しに
といった具合で、子供たちの参加意欲は正直それほど高くなく、教室の趣旨も「試合で勝つ」「スキルアップ」ではなく「運動を楽しむ」という点に軸足を置いていました。
どうすれば今回楽しめるか。どうすれば次回参加したくなるか。
最初は、やり方をわかりやすく伝えたり・手本を見せれば、そのうちできるようになるだろう。と思っていたが子供たちの反応は全く違いました。
- 言われた通りやってみるができない
- できないとつまらない
- つまらないと欲がなくなる
- 欲がないとやる気も無くなる
- やる気がなければ来なくなる
未経験の子供にとって、言葉ではわかっても実際にできるかどうかは全く別問題。できないことが悪循環のはじまりでした。
運動能力がある子供は別として、未経験の子供がいきなりできるようにはならない。そこで高い壁に登れないのなら、手前に階段を作ったら登りやすくなると考えてみました。つまり循環の始まりを逆にする。
- 小さなことでもできるようになるとおもしろくなる
- おもしろくなると欲が出る
- 欲が出るとやる気が出てくる
- やる気が出れば次も来ようとする
例えばスパイク(ネットの上から相手コートにボールを打ち込む)動作も
- 上がったトスに助走を入れ
- タイミングを合わせてジャンプし
- 最高到達点でボールを捉え
- 相手コートに打ち込む
なんてことは未経験の小学生ではまず不可能です。
しかし写真のようにボールを支えておけば、3と4がきるようになる。一部でもできるようになれば、子どもたちはだんだん欲が出ておもしろくなっていきました。
きっかけは好きじゃなくても、徐々に得意になっていくことで、おもしろくなるきっかけが見つかっていく。
これはスポーツでも仕事でも同じ。
目の前に壁ができたら「一人でできない」と悩み止まってしまうのであれば、問題を分解してみたり、誰かの力を借りてみたりすることに力を入れてみてはいかがでしょうか。