手書き文字。

今はネットで一度に大勢の人に発信できます。メール、ブログ、SNSなど伝える手段はさまざまですが、デジタル文字だけでは伝わらないものがあります。

それは「情と熱」つまり、情熱です。

今回退職するにあたりお世話になった社員全員に、手書きでメッセージカードを書いてお送りしました。

過去に退職した社員でこのようなことをした人はいませんし、ここまでする必要はどこにもありません。

ここ数年、人事部門で採用や人材育成に関わってみて、自分の考えや想いを相手に伝える難しさ・厳しさを痛感しました。

退職にあたり「長い間ありがとう、お世話になりました」という気持ちが、残りの時間でどうすれば一番伝わるか。メールか、電話か、ハガキや便せんがいいのか。

前例や成功事例を鵜呑みにしては進歩も発展もありませんし、何もしなければ何も伝わりません。

「ただ伝える」だけなら社員もお客様もぜんぶまとめてメール一本送れば済みますが、「伝わったかどうか」は、自分が楽をする分、相手に届くと薄まってしまうのが嫌だった。

入社したころの私であれば「めんどくさい」「会社から指示されていないのにそこまでする必要なんてない」と考えて何もしなかったと思います。

こうした価値観が変わったのも、いままで関わっていただいた皆さまから、本当にたくさんの学びや気づき、叱咤激励をいただいたおかげです。

4月より環境が変わりますが、相手のために何ができるか、自分が取れる最善は何か。

こうした腹決めをこだわりぬいて、結果と自分自身を成長させていくことが、快く送り出してくださった会社や仲間への恩返しと思っています。