年上の部下とコミュニケーションがうまく取れない」という質問をよく伺います。
話を伺ってみると、だいたい相手の特徴に共通しているのが

  • 価値観やこだわりが強い
  • 成功体験や自分のやり方を手放してくれない
  • 指導しても聞く耳を持ってもらえない

学校なら距離を置けば済むかもしれませんが、ビジネスでは離れたくてもすぐ離れられない関係だからこそ悩むもの。私も同じような経験があるのでメチャメチャわかります。

昔の職場で、年上のベテラン技術者Aさんの上司として現場に入ることになりました。

Aさんはエンジニア歴30年以上でノウハウも腕も抜群。頭の回転も速くお客様のシステム構成や内部事情を、お客様以上にすみずみまで熟知してとても頼りにされていました。しかし、自分のやり方やこだわりに絶対の自信を持ち、コミュニケーションが取りづらい面もありました。

仕事が俗人化するとその人に頼めば解決しますが、もし休んだり不在の時にトラブルやクレームがあると他の人では対応ができなかったり、判断を誤ってさらに炎上してしまうことはどの業界でもよくあるお話です。

元請けお客様もAさんがいてくれるなら取引は継続するという考えで、会社としては何もしなければAさんがいる間は安泰です。しかしAさんに不慮の事故や退職といったリスクもゼロではないので、いつまでも放っておくことはお客様にも会社にとってもリスクでした。

そこでAさんには技術の継承と後輩の育成に全面的に協力してもらい、後任Bさんが対応してもサービスレベルを落とすことなく取引を継続させる必要がありました。

最大のポイントは「Aさんが変化を受け入れ、協力してもらえる状態」を作れるか。

当時の私は他にも役割があり、限られた時間の中でこちらの考えや現場の問題点を一方的に伝えていました。しかしなかなか分かってもらえず、Aさんの行動は変わりませんでした。

今思うと、私が一方的に伝えていたことをAさんは、仕事へのこだわりや大切してきたものを真っ向から否定されていた。それがAさんの反発を生み行動が変わらなかったのです。Aさんも人間ですから

  • 新しいことへの不安
  • 過去のトラブルやトラウマからの警戒心
  • そもそも会社や上司に心を閉ざしている

などど考えに、Aさんのこだわりや意見を一度全部聞く(受け取る)ことにしてみました。つい言ってしまいがちな「いやそれはね」とか「そんな考え方だからダメなんですよ」という言葉を手放してとことん聞く。そしてAさんの

  • こだわりや意見を受け取る
  • 普段の仕事や成果物のいい所を認める
  • 自分から先に本音を話す

そのうえで「問題を解決するためにお互いができることを一緒に」というスタンスで会話を続けていたある日「自分にできることがあれば協力したい」と雪解けになったできごとです。

もし一方的にこちらの意見を押し込むことができても、相手の心が反発してしまっては行動は持続しません。

勉強をしたくないこともに「勉強はするのは当たり前だ。親の言うことには従いなさい!」と言われて、子どもが喜んで勉強しないのと同じで、私たちの伝えたいことに、相手が聞く耳を持つ状態にすることを心がけたいですね。

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