結果を見て命令するのは簡単。
「まだ終わらないのか、明日までに提出しろ」
「髪が長いな、すぐに切れ」
「次の仕事は○○をやれ」
人は本能的に認められたい。
しかし命令ばかりされ続けると人格や過程を無視・否定された感じがし、心が反発します。だから人は命令を嫌います。
一方、命令する側からすれば「命令されないように動けば命令しない」と判断基準が自分に向いていることが多いのです。
否定されたくないから命令の範囲内で収まろうとする。 しかしその代償として自分で考えることを放棄しはじめ、自分で考えて行動する力去勢されていきます。
命令に従っていれば少なくてもその人からは否定されたり、正論を振りかざされることがないからです。
統制しやすくなるかわりに、統制しなければ動かなくなる人が増えていく。
「できてないんだから命令されて当然でしょ」というのも一理あります。もちろんできるようになるまでの間一定の添え木は必要かもしれない。
しかし仕事や人間関係は臨機応変だらけ。
現場には正解や方程式がないから仮説を立て、試し、思考錯誤しながら最適解を見つけていくような変化の激しい時代。
「あれやれ、これやれ」の命令ばかりではまるでロボットのように言われた事しかやらず臨機応変に考えたり動くことが出来ない人が育ちます。
だから考えてもらう。ポイントは命令ではなく質問で。
「なぜダメだったのか?」
「放っておくと誰にどんな影響があるのか?」
「何がそうさせたのか?」
質問のコミュニケーションは時間がかかりますが、少しずつ少しずつ自分で考えるようになっていき、長い目で見ると管理不要の部下に育ちます。
そして自分で考えられるようになれば、命令を手放すことができるだけでなく、今度はその人が別の人を導けるようになるのです。