「常識・こだわり」を手放す

「こうあるべきだ」「~をするのは当たり前だ」

話し手がこうした常識やこだわりを握りしめたままでは、1対1でも1対多でも、聞き手は心を開きません。最終的に目指すゴールに導いていくとしても、自分にとっての常識を一旦手放しておかないと、相手を否定したり上から目線が伝わってしまうことが多いです。

へりくだるということではなく、一人の人間として同じ目線で話すイメージです。

そんなことをしたら「生徒に舐められる、バカにされる、言うことをきかなくなる」と思われる方もいらっしゃいますが、ぜひやってみてください。

「私の考えを一方的に押し付けるつもりはないから、安心してほしい。みんなの将来がもっといいものになるように、お互い本音で話し合う時間にしていきませんか?」

こうしたスタンスの方が、生徒は心を開いて向き合うようになります。

もちろん一発で心を開くとは限りません。今までの関係にとっては時間がかかることもありますが、ゆっくり時間をかけて心をほぐしてあげてください。

「否定+命令」より「共感+質問」

人は否定されると反発するものです。たとえば先生から

「出席日数が足りないと進路に大きく影響する。だらしない生活習慣のままではダメだ。学校にはちゃんと来なさい!」と言われたとします。

これは行動を否定され、命令しています。本人もだらしない生活習慣のままではダメだと思っていても、否定される・正しいことを押し込まれると心が反発して動きは止まります。

子どもに限らず大人でも「相手から一方的に意見や行動を押し付けられる」のは、本能的に嫌なものです。もちろん身の危険を感じたら「危ない!逃げろ!」といったケースはありますが、日常生活やビジネスのシーンで「命令」が肯定的に機能することは稀なんです。1対多の場合でも

「私も学生の頃は学校めんどくさかったよ。朝だって眠いもんね。でもちょっと考えてみて。もしこのままの生活を続けていったらどうなると思う?」

と、心を寄せて共感をしてから、質問をしてみてください。

多くの場合は「今のままではダメだと思う」「何とかしなければとは思っている」という気持ちを抱きます。口には出さなくても、心で感じているのであれば行動への火種になります。

「何を話すか」より「どう話すか」

音楽に例えるなら「何を話すか=歌詞」「どう話すか=メロディ」です。

聞きたくなる歌は、歌詞も大切ですがそれ以上にメロディが影響します。どんなに歌詞が良くても、メロディがボロボロだったり不快であれば聞く気にはならないのではないでしょうか。

これを人前で話そうとしている人に置き換えてみると

  • 歌詞(何を話すか=トーク)
    レジュメ、台本、テキスト
  • メロディ(どう話すか=エネルギー)
    言い方、身振り、表情

です。つまり内容がいい話でも、話し方が一本調子だったり、つまらなそうな表情で話していれば、聞き手には入っていかず行動には繋がりません。

未来に希望を持たせたいのなら、私たちがワクワクした気持ちと表情でポップに話してみる。厳しい現実と向き合わせないのなら、私たちが肚を据えて真剣で緊張感を持った口調でどっしりと話すことで、まるで音楽を聴いて勇気づけられるように心に響き、行動へと繋がっていきます。

「笛吹けども踊らず」

相手が踊りたくなる、動きたくなるメロディを奏でてみませんか?

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