ある中学校のグラウンドでの話。陸上部の練習で男性顧問の罵声が飛んでいた。

「ちゃんとやれ!」
「しっかり力出せ!」
「ぜんぜんダメだ!」
「出来てないんだからもっと頭使え!」
「完璧にやれ!」

男女合わせて10人ほどの生徒たちは、腰に手を当て、肩を落とし、下を向いている。

極めつけは

「何度言わせればわかるんだ!」
「バカかおまえら?」
「わかったか?!」
「声が小さい!わかったか?!」

残念だかその言葉は選手達には届いていない。耳を通過しているか、耳の手前で弾かれている。

誰でも心には扉がある。もし先生が一生懸命伝えたとしても、生徒との心が開いていなければその言葉は届かない。そしてコミュニケーションには成果がある。言ったことが相手に100%伝わっているとは限らない。

先生と生徒の間に人間関係・信頼関係が土台になければ、いつまで経っても到達レベルが低いまま。先生は一生懸命に伝えても、生徒は聞いてる振りをしてスルーという、お互い耐え難い結果になってしまいます。実に残念。

しかし、こうしたミス・コミュニケーションが現場でまだまだあると聞きます。

「何度言ったらわかるんだ!」と相手に押し込む前に「なぜ話が届かないのか・なぜ相手が動かないのか」にピントを合わせ、まず相手の心を開くことが大切だと改めて思った、ある休日の出来事。

併せてどうぞ
その命令が相手の心を閉ざしてゆく